「副業」ガイドラインの見直し

 

 

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コロナの影響で自宅勤務の機会が増えた皆さんの中には,通勤やオフィス作業が減って余裕ができた時間を使って兼業や副業をしたい,って思っている人も多いことでしょう。政府の働きかけもあって,申請や報告は必要とするものの,副業・兼業を認める会社はだいぶ多くなりました。私も事業者から就業規則の見直しの相談を受ける機会が増えてきました。

ただ,リモートワークのもとで副業まで認めることで労務管理に不安を持つ経営者は多いようです。「ちゃんと仕事しているのか」が更にチェックできなくなってしまうのではないか,と。時間以外の指標で仕事の成果を評価しているつもりではあっても,実際に仕事をしている姿が見えない状況での確かな仕組み作りが企業経営には求められています。

厚生労働省が,「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を見直すと発表しました。副業の定義を明確にし(労働者が更に別な使用者と労働契約を締結した場合を「副業」とする),企業は,労働者の自己申告に基づいて本業・副業の通算労働時間を管理し,副業社員には定期的に健康管理のための面談を行うことなどが規定されそうです。

ちなみに,企業の責任軽減のためなのか,本業・副業の合計「所定」労働時間が1ヶ月平均労働時間上限である80時間を下回らない場合(これも労働者の自己申告)には労働時間管理は不要とする案もあるそうです。しかし,副業を認める企業の立場からすれば,社員の副業も含めた「実」労働時間を把握しその健康を守ることは必須でしょう。経済界に対する厚労省の余計な「忖度」のような気もしないでもありません。

9月にも発表される予定の新ガイドラインに注目したいと思います。